産業廃棄物処理業におけるリスクアセスメントとは?労働災害防止のために注目しましょう

こんにちは。茨城県北茨城市の有限会社元クリーンです。


産業廃棄物の処理の過程では、労働災害が発生することがあります。人命が奪われるケースもあるため、処理を依頼する側も一定の責任を持ち、安全に処理してくれる業者を選ばなければなりません。その際の大きなポイントとなるのが「リスクアセスメント」を実施しているかどうかです。ここでは、産業廃棄物処理におけるリスクアセスメントの重要性について解説します。




■リスクアセスメントとは?



リスクアセスメント(危険性又は有害性等の調査)とは、主に労働災害の防止を目的として、事業者自らが自主的に行う労働安全対策の手法です。労災防止の措置義務は労働安全衛生法で定められていますが、これはあくまでも最低限の基準であり、労災を防ぐ上で十分とはいえません。そのため、実際の事業場の状況に基づき、リスクアセスメントを実施することが努力義務となっているのです。


具体的には、事業場にある危険性・有害性を特定してリスクを見積り、対策の優先度の設定やリスク低減処置を行います。低減措置を実施したら結果を記録し、状況によってはさらなる改善を行います。こういった一連の動きにより、事業場のリスクや守るべきことが明確になり、その認識を全体で共有でき、合理的な安全対策が可能になるのです。


また、従来の労働災害対策といえば、発生した労災を分析して再発を防ぐという「後追い型」が一般的でした。これに対しリスクアセスメントは、まだ労災が発生していなくてもリスクを洗い出し、事前に対策を打って予防する「先取り型」です。より積極的で効果の高い安全対策といえるでしょう。




■産業廃棄物処理業におけるリスクアセスメントの重要性



リスクアセスメントはどのような業種でも求められる対策ですが、産業廃棄物処理業では特に重視する必要があります。なぜならこの業界では、建設業や製造業などと並んで非常に労災が発生しやすいからです。


令和2年の統計によると、産業廃棄物処理業において休業4日以上の労働災害にあった死傷者数は、1,502人でした。100万延実労働時間当たりの労働災害による死傷者数を表す「度数率」では、全産業の平均が1.95なのに対し、一般・産業廃棄物処理業では6.95と明らかに高くなっています。


事故の内容として多いのは「転倒」と「挟まれ・巻き込まれ」で、それぞれ20%強を占めています。特に危険性が高いのは巻き込まれ事故で、ベルトコンベアや破砕機に手足を巻き込まれる事故は珍しくありません。これは命を落とすことも多く、仮に助かっても重篤な障害を負うことになります。


こういった事故が発生する原因は、結局のところ「安全配慮義務違反」です。事故防止措置の未実施や作業計画の未策定、機器の用途外の使用、無資格者・未教育者の作業従事、点検の不備など、細かな原因を挙げればキリがありません。このような事態を防ぎ、労働災害のない環境で安全に働くためにも、リスクアセスメントが重要なのです。




■リスクアセスメントに注目し、より安全・衛生的な産業廃棄物処理を!



労働災害防止の意識は年々高まっており、国の事業者も対策に力を入れ、発生件数自体は減少傾向にあります。しかし、それでも多くの労働災害が発生しているのが現状です。産廃処理事業者は、これまで以上にリスクアセスメントに注力するべきでしょう。


そして、産業廃棄物の処理を依頼する側も無関係ではありません。労働災害を起こすような処理業者への依頼は、最悪の場合人命が失われる事故につながります。状況次第では、処理を委託した側も責任を問われる可能性がありますから、リスクアセスメントを徹底している業者を選ぶことが重要なのです。


さらに、労働災害が起きるような環境で処理をしているという事実は、処理自体が適切に行われていない可能性をも示しています。環境保全の観点でも、リスクアセスメントに力を入れている業者に依頼するのが望ましいのです。安心して処理を依頼するためにも、業者のリスクアセスメントの状況をしっかりと確認しておきましょう。



茨城県北茨城市の有限会社元クリーンは、廃棄物収集・運搬の専門業者です。地域密着で30年以上の活動を続け、大手企業様からも多数のお取引をいただいております。20種類の産業廃棄物の収集・運搬許可を取得しているため、さまざまな施設での不用品回収が可能です。


もちろん、リスクアセスメントもしっかりと実施。安全対策を徹底するとともに、排出技業者様にも丁寧に説明を行い、ご理解いただく姿勢を大切にしています。マニフェストの作成サポートやリサイクル事業も手掛け、環境に配慮した処理方法で対応しておりますので、どうぞ安心してご相談ください。